~記事の内容~
インブリードとは
前回の記事で競馬用語インブリードという言葉を紹介しました。
インブリードとは、血統表で5代前までに同一の祖先を持っているような配合のことを言います。
ただ、6代前、7代前以上に関してもインブリードと論じられることもあるようです。
説明は簡単に聞こえますが、インブリードは奥が深いものです。
今回はインブリードについて少し掘り下げて説明してみたいと思います。
奇跡の血量はギリギリのバランス
インブリードについて知る上で、まず目にするのが奇跡の血量です。
奇跡の血量とは、インブリードの比率が18.75%になった場合にそう呼ばれ、祖先の能力を大きく引き出せると言われる反面、濃すぎる血量は虚弱体質や気性難など弊害もあると言われています。
ただ、これは科学的な根拠はなく、経験からの鉄則となっています。
それでは、どういった場合に奇跡の血量18.75%になるのか、説明していきましょう。
5代前までの血統を考慮した場合、父と母の2頭からはそれぞれ50%ずつ(計100%)の血を受け継ぐことになります。
このように計算していくと・・・
5代目(父の父の父の父の父)からは2×2×2×2×2で32頭から血を受け継ぐことになるので、
100%÷32頭=3.125%の血が遺伝していることが分かります。
なので、祖先別の血量の比率はこのようになります。
祖先 |
血量比率 |
1代前 |
50% |
2代前 |
25% |
3代前 |
12.5% |
4代前 |
6.25% |
5代前 |
3.125% |
よって、奇跡の血量と呼ばれる18.75%の組み合わせにするには
3代目×4代目(12.5%+6.25%)ということになります。
ただ、3代目×4代目以外にも
3代目×5代目×5代目(12.5%+3.125%+3.125%)でも奇跡の血量になります。
メリット
質の高い馬のインブリードが血統上に多く現れることによって、質の低い馬の遺伝子の占める割合が薄まり、質の高い馬の良い特徴が子孫に伝わっていく可能性が高くなると言えます。
また、インブリードの特徴として、アウトクロス(血統表にインブリード馬がいない)と比較すると、遺伝子の組み合わせ数が少ないので、アウトクロスよりも祖先の性質を伝えやすいという特徴があります。
デメリット
もちろん、インブリードによって望ましくない性質が出てくる可能性があると言えますが、一番のデメリットといえば、劣勢遺伝子による遺伝病になる可能性が高いということです。
また、遺伝子が悪い意味で均一になりやすく、近交弱勢というように形質の弱い個体が増加する可能性があります。
他にも、繁殖力が弱いという欠点もあります。
今回はインブリードについて少し掘り下げて説明してきました。
科学的な根拠がないものもある中で、経験からこのような奇跡の血量が生まれたというのも凄い話ですね。
ただ、奇跡の血量でない場合、例えば血量が50%を超えた場合は、危険な配合となり、仔が生まれないか、生まれたとしても虚弱体質の仔になってしまうことも多いようです。
まだまだ発見されてないことも多いと思いますが、競馬の予想で迷った時は、今ある情報として奇跡の血量を参考にしてみるのもいいと思います。
[2回]
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