競馬物語

風になったフミノイマージン

今回のヴィクトリアマイルを観戦された方ならただ事ならぬ緊急事態を察知していたと思います。
フミノイマージンはレース終盤最終コーナー辺りで直線を走らずに戦線離脱。
退場する際の痛々しい姿は見ていて苦しくなる程で心配していましたが、考えていた中の一番最悪な結果になってしまいました。
レース中疾病(右第1指関節脱臼)を発症、その後程なくして予後不良。
本田優厩舎は、12日付けで競走馬登録を抹消しました。

「ポッポ」ちゃんという愛称で多くのファンから呼ばれ、親しまれていた彼女。
ネット競馬の掲示板を見ていると目頭が熱くなる程のコメントの数々で愛されていた事がわかります。

ポッポちゃんの由来は歩く際に首が上下に揺れる為、鳩のように見えるからだからだそうです。チャーミングな三つ編みのたてがみと、グラマーでセクシーな馬体で多くの方を魅了してくれました。

本来であれば昨年のエリザベス女王杯で引退するはずだったという事で、今回の惨事が本当に悔やまれます。【たられば】を使ってもしょうがないですが、もし引退していたらフミノイマージンは…。と考えてしまいます。

「馬の寿命は馬主が決めるんだよ。」

私が好きな小説の中で出てくる台詞をふと思い出し、悲しい気持ちになりました。

美談にするつもりはありませんがフミノイマージンが風となり、レースのプレッシャーから離れて牧場を自由に走り回っていることを祈ります。

そしてもう一つ残念なお知らせがあります。
ヴィクトリアマイルでの悲劇はこの馬だけではありませんでした。

サウンドオブハート 引退

サウンドオブハートが5月15日エコー検査で「左前浅屈腱不全断裂」で競走能力喪失との診断が下り、 引退の運びとなりました。
先日開催された第8回ヴィクトリアマイルが最後のレースで、予想では3番人気でしたが、結果は14着。有終の美という訳にいきませんでしたね。
騎乗していた池添騎手はレース途中から異変に気づいていたそうです。
レース後すぐニュースが出ましたが、ここまでとは…。非常に残念です。

上の画像はデビュー戦前のサウンドオブハート。
栗毛が綺麗で美しい馬ですね。この頃4歳で引退するとは想像も出来なかったでしょう。

こちらは通算成績です。


総収得賞金は17,261.1万円。
GIは未勝利という大事な時に勝ちきれない馬でしたが、人気も非常にあり、10戦6勝という優秀な成績で現役を終えました。
この馬は安心して信頼できる優等生といった印象で、1位で間違いないとまではいかないにしても必ず上位には入るであろうと予想を立てる上で外せない存在でした。正直いなくなると痛いですよね。

引退後は繁殖馬に

今後は生まれ故郷のタイヘイ牧場（青森県八戸市）に移動し、繁殖生活に備えて準備するそうです。
松山調教師は肩を落としながら

「桜花賞（４着）やヴィクトリアマイルなど華々しいムードの中、出走して頑張ってくれた。引退するのは残念だけど、いい子供を産んで欲しい」

と、報知新聞社にてコメントを残した。
女王になる事は叶いませんでしたが、良き母となってほしいですね。
志半ばで現役生命を終えた母の無念を晴らす強い馬を生んで欲しいです。
また名前を見る日はいつになるでしょうか?楽しみですね。



(PR)
投資競馬サイトは嫌いですか?
http://forum-premium.jp
悪徳サイト撲滅を積極的に呼びかけている信頼度抜群の優良サイト。

日本で唯一使用されているのDD2クワトロロジカリズム。その実力は…
http://j-world-trade.jp
有名ビジネス誌にも取り上げられ各メディアに注目されている話題のWorld Trade。

[1回]

牝馬三冠戦の山場「樫の女王決定戦」

第74回オークスが5月19日(日)に開催されます。
オークスは東京競馬場の芝2400メートルで施行されるGIレースで、イギリスで開催されるオークスステークスを元に創設されました。
正式名称は「優駿牝馬」なのですが、馴染みやすい副称の「オークス」として世間には浸透していますね。

オリジナルであるオークスステークスの名付けられた由来が、開催場所のイギリス・エプソム競馬場にある大きな樫の木であった為 優駿牝馬は「樫の女王決定戦」と呼ばれています。
牝馬三冠戦のなかで一番距離が長く、しっかりした馬体が求められるレースにぴったりですね。

牝馬三冠戦とは3歳牝馬限定レース。桜花賞・優駿牝馬(オークス)・秋華賞の3つのレースを指します。
全てのレースを制した馬を牝馬三冠馬とし、牡馬と違い牝馬は発情期(フケ)があるため調整が非常に難しく、制覇するのは容易ではありません。昨年のジェンティルドンナが史上4頭目の牝馬三冠馬となった事が記憶に新しいですね。

今年見事1ラウンド目の桜花賞を勝利し、三冠への挑戦権を得ているのはアユサン。
果たして昨年に続き牝馬三冠馬の称号を手に入れる事ができるでしょうか。

牝馬三冠馬へ挑む アユサン

生年月日 2010年2月21日
調教師 　手塚貴久 (美浦)
戦績　　　5戦2勝 [2-1-1-1]
ディープインパクト産駒

ゆるキャラのようなチャーミングな名前のアユサンですが、勝ち所できっちり勝っている勝負強い印象です。
デビュー戦をいきなり勝利で華々しく飾り、しばらく落ち着きをみせるも桜花賞を7番人気からのGI制覇。
なんとも読めない馬の為、ゆるキャラのように大人気、という訳ではなさそうです。
しかし、重要なレースでは取りこぼさない信頼を手にする大きなチャンスが巡ってきましたね。

今年もレースの鍵は桜花賞組

オークスを予想する上で最重要レースとなる桜花賞。
過去このレースに出場していない馬が勝利したのは、たったの3回のみです。
その為やはり桜花賞組から予想を立てていく事がセオリー通りとなっています。

今年の有力候補は
・1着アユサン
・2着レッドオーヴァル
・3着プリンセスジャック
・4着クロフネサプライズ
・5着ローブティサージュ

そしてネット競馬での予想オッズ(5月15日現在)です。
最有力は三冠の懸かるアユサンと思えたんですが現在3番人気のようです。
原因としては桜花賞で素晴らしい騎乗を見せたC・デムーロ氏に評価が集まっているように思えますね。
そのデムーロ氏はレッドオーヴァルへ騎乗するということで、2番人気となっています。
女王の器であるか否か、アユサンにとって実力が試される面白い展開となりましたね。

個人的に注目しているプリンセスジャック。
桜花賞差し切れず3着に終わりましたが、余力をだいぶ残した印象で距離が足りてなかったように思えたので。今回全力を出し切るには充分の距離。期待しています。

[0回]

レース結果

1着6枠11番 ヴィルシーナ
2着4枠8番 ホエールキャプチャ
3着1枠1番　 マイネイサベル
4着2枠3番　 ジョワドヴィーヴル
5着3枠6番　 ドナウブルー
6着2枠4番　 ハナズゴール
7着6枠12番 ゴールデングローブ
8着5枠9番　 アイムユアーズ
9着8枠18番 エーシンメンフィス
10着7枠14番 アロマティコ
11着5枠10番 イチオクノホシ
12着7枠13番 レインボーダリア
13着1枠2番 オールザットジャズ
14着8枠17番 サウンドオブハート
15着4枠7番 アドマイヤセプター
16着3枠5番 ザッハトルテ
17着8枠16番 メーデイア
中止7枠15番 フミノイマージン

昨日5月12日第8回ヴィクトリアマイルが開催されました。
天候を心配していましたが、レースには問題なく杞憂だったようです。
注目のレース結果ですが、写真判定の末ハナの差で一番人気馬ヴィルシーナが春の女王に輝きました。
やはり過去7年間本命馬の勝率高めというデータ通りの結果になりましたね。
2着は12番人気ホエールキャプチャ。前レースまで不振が続き人気を落としていましたが 意地を見せました。
2番人気であったハナズゴールドは直線で伸びきれず6着に終わりました。
本命馬がいないと言われた今回のレースでしたが、予想通り混戦になり熱い戦いでしたね。終盤の展開は息を呑んで見守りました。

ヴィルシーナ 悲願のGI制覇

今回悲願の勝利へと緊張の一戦でしたが、好スタートでレース序盤から先頭集団に立ち、そのまま最終コーナーを抜け直線中盤からラストスパート。
ホエールキャプチャの決死の追い上げで、「またか…」と一瞬頭によぎりましたが強かったです。気持ちで勝利をもぎ取りましたね。
ポテンシャルはあるのにずっと二番手で燻っていたヴィルシーナでしたが、ようやく実力を見せつける事が出来ました。
昨年は大事なレースを全て2着。銀メダルばかりの「シルバーコレクター」等、不名誉な呼び名をつけられ、悔しい思いから何度も 奮起してきただけに、最後の直線での鬼気迫る追い上げは目を見張るものがありましたね。
今回勝利の女神の祝福を受け、ようやく火がついたヴィルシーナ。
これからどのような爆発を見せてもらえるでしょうか。

レースを終えて

オーナーである元メジャーリーグ選手の佐々木主浩氏のコメントです。

「野球のマウンドに立つより、ずっと緊張しました。（これまで）悔しいレースが続いたが、そのおかげでこれだけ強くなった。今のヴィルシーナがあります」

日米共に大事な局面でチームの思いを一身に背負うプレッシャーを感じながら抑え投手として活躍されていた選手のコメントだけに印象的ですね。

今回騎乗した内田博幸騎手とは熱い抱擁を交わし、ようやく味わうGI勝利の余韻を噛み締めていました。
何度も勝利を逃し悔しい思いで競技場を後にされていたでしょうから、喜びを隠し切れなかった事でしょう。
内田騎手は表彰式でバク宙を披露し、会場を沸かせたそうです。40歳を超えて本当に凄いですよね。
今後の予定はまだ未定のようですが、活躍が楽しみです。

[0回]